歴史上の人物で誰が好きかと聞かれたことがある。その時はすぐに名前が出てこなかった。改めて、そんな人物がいるか考えてみた。
数人の名が浮かんだ。桐野利明、伊庭八郎、中島三郎助などだ。桐野は西郷隆盛の腹心と言われた男、伊庭は幕末の剣豪、中島はペリー来航の際、最初に旗盤 サスクハナ号に乗り込んだ浦賀奉行所与力である。何のことはない。3人とも幕末動乱の時代を生きた男達だ。
前二者については文庫本でその人となりを知ることが出来る。だが、中島三郎助について書かれた本が見当がなかった。この人は明治2年の函館戦争の折り、息子二人と共に壮絶な死をとげている。
ところが、ある時ある施設の書架で中島三郎助の本を発見できた。「くろふね」と題する単行本で、作者は佐々木譲である。榎本武揚の生涯を描いた「武揚伝」の著書だけに筆は確かだ。読みごたえがあった。読書の秋、再読したいと思っている。
次は侠客国定忠治、吉良の仁吉、清水次郎長一家の大政について読みたいと思っていたのだが、これは、という本が見当らない。ご存知の方がいたら教えて下さい。