九州にある「中間市」を知っている人は多くないはずだ。「ちゅうげん」でも「ちゅうかん」でもない。「なかま」と読む。北九州市のすぐ西隣りにある周囲わずか4kmほどの小都市だ。今年7月、「明治日本の産業革命遺産」がユネスコにより世界文化遺産に登録され、その一部が同市にも所在する、と言っても知る人はまずいないのでは。こっそり教えるとこの市は超有名人が育った土地なのである。その名は高倉健さん。だが市内のどこにも健さんのポスターすらない。どうしてか?
それはともかくとして、11月28日、29日の2日間、当地で「フットパス国際シンポジウム&第4回FNQ九州フットパスのつどい」が開催された。本番に先立つプレシンポジウムでは、小川浩一郎代表代行が「フットパスをネットワーク化する狙い」と題する基調講演を行った。突然フットパスが北海道で始まったのではなく、十年以上に及ぶ歩くファンづくりをしてきたことが、フットパスとスムーズにつながったという点が強調された。「エコ友クラブ」の会員がまさにその中核を占めると言っても過言ではないだろう。
中間市のフットパス作りには北九州市立大学の学生が地元の人たちと協働して知恵をしぼり、汗を流したといういくつかの発表が新鮮だった。
それと全国各地の8つの大学の教員十数名が参加した点は心強い。道内からは北海道科学大学と釧路公立大学が名を連ねていた。どれもフットパスを巡る新しい動きである。来年以降がさらに楽しみになってきた。

国際シンポと九州のつどい


来夏に開催する「カレッジフットパスフォーラム」のPRをする北海道科学大学の学生