6月10日に野幌森林公園でヒグマが目撃されて以来、連日のようにその去就が報道されている。7月中旬、所用のため大沢口にある「野幌森林公園自然ふれあい交流館」を訪れたら館内はガラーンとしていて、私以外にはただ一人のみ。林内に入ってみたら人っ子一人いなかった。あちこちに「ヒグマ出没注意!ヒグマの目撃やフンの発見が相次いでいます!」の張り紙が。更に「公園内に入ることを控えて下さい」とあった。脱獄した凶悪犯人並みの扱いである。私たちの行事で野幌森林公園を歩くイベントを計画していたものだから「行って大丈夫ですか?」という問い合わせが数件あった。そういう人たちに対しては「心配なら参加しなくてもいいですよ」とやんわりお断りしている。
それにしてもここまでクマを怖がる心理はどこからきているのだろうか?札幌市内の住宅地にヒグマが姿を現すのは今や年中行事化している。それでいて事故など起きていない現実をどう見ているのだろうか。ヒグマが凶悪というならば、年間何十人もの住民が死傷していても不思議ではないのに。
これからもヒグマの生息可能域を我々は歩き続けるのだから、彼らの領域に入ったのだということを自覚して、声や音を出して立ち入りを知らせてやるのが礼儀というものだろう。クマだって人が怖いのだから。

「出没」では痴漢と変わらない


野幌森林公園で見かけたヒグマ注意の貼り紙